展覧会・イベント
2020.06.06
New Photographic Objects 写真と映像の物質性
彫刻コース飯田竜太が参加するNerholが埼玉近代美術館のグループ展示に参加しております。
https://pref.spec.ed.jp/momas/page_20200305063201
来館される方に美術館ホームページから来館日の予約をお願いす
(フォームのリンク)
https://s-kantan.jp/pref-saita
ですが、Web予約なしでも美術館入口で入館カードに記入(お名
デジタル技術が加速度的に発展し社会に浸透した現代において、写真や映像という表現形態を選んだアーティスト たちは、動画像編集ソフトによる加工や合成、コピーやスキャニング、さまざまな出力方法を用いたインスタレーション、 ソーシャルメディアやフォトシェアリング・プラットフォームを利用した双方向的な手法などを複合的に駆使して、その表 現言語を更新し続けています。新しいテクノロジーから伝統的な手法までがひろく選択可能性に開かれた状況から、 写真と映像の可能性を拡張する意欲的な表現が次々に生まれるスリリングな場に、私たちは立ち 会っているのです。
この展覧会で紹介する 4 名と 1 組のアーティストは、こうした状況をふまえつつ、 メディアの物質性を重視した独自 のアプローチによってこの領野に新機 軸を打ち出しています。数百枚の写真を積み重ねて切断した断面、くしゃくしゃ に折りたたまれたプリントの物理的な襞、映像から立ち上がる観る行為に潜在する触覚的な要素など、彼らの作品に おける特徴的な物質性は、単にフェティッシュなこだわりによるものではありません。おのおのが用いるメディアの歴史 や特性、機能に鋭く分け入り、それを更新するため の戦略によって獲得さ れ た性質なのです。
彼らの作品をラディカルな再考と更新をめざす「新しい写真的なオブジェクト」と措定し、著しい速度で変化する現代 の写真表現・映像表現の一断面をとらえることがこの展覧会のねらいです。それはまた、私たちをとりまく今日の視覚 環境について、深く考えを巡らせる絶好の機会となるはずです。
会期
2020年4月4日 (土) ~5月17日 (日) 2020年6月2日(火)〜9月6日(日)
休館日:月曜日(8月10日は開館)及び6月23日(火)
開館時間
10:00 ~ 17:30 (入場は17:00まで)
観覧料
一般1100円(880円)、大高生880円(710円)
※( ) 内は20名以上の団体料金。
※中学生以下、障害者手帳等をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料です。
※併せてMOMASコレクション (1階展示室) もご覧いただけます。
※会期変更前の招待券は、変更後の会期の招待券としてご使用いただくことができます。
主催
埼玉県立近代美術館 、 New Photographic Objects 展実行委員会
展示協力
ベンキュージャパン 株式会社、 キヤノン 株式会社
協力
JR東日本大宮支社、FM NACK 5
※さいたま国際芸術祭 2020 連携プロジェクト
出品作家
迫 鉄平 / 滝沢 広 / Nerhol / 牧野 貴 / 横田大輔 (五十音順)
作家略歴
迫鉄平(さこ・てっぺい)
1988年大阪府生まれ。京都精華大学芸術学部卒業。
瞬間を切り取るスナップ写真の技法を応用した映像作品や、複数の瞬間を一枚の写真に畳み込むスナップ写真のシリーズにおいて、「決定的瞬間」から被写体と鑑賞者を解放することを試みている。何の変哲もない光景をとらえたスナップ写真を時間的に引き延ばしたかのような映像作品で、2015 年の「Canon写真新世紀」グランプリを受賞。近年の主な個展に「CHILL TOWN」(VOU、京都、2017年)、「FLIM」(Sprout Curation、東京、2018年)、「All Along The Watchtower」(YEBISU ART LABO、愛知、2019年)など。加納俊輔、上田良とのアーティストユニット「THE COPY TRAVELERS」としての活動も行う。
滝沢広(たきざわ・ひろし)
1983年埼玉県生まれ。
大学で心理学を専攻した後、写真を用いた作品の発表を開始。作品の被写体の多くは、膨大な年月をかけて経年変化してきた石や岩、コンクリートなどのテクスチャーで、そのプリントを重ねる、切断する、くしゃくしゃに折り畳む、あるいはスキャンし出力した写真を再撮影するなどの多様な手つきによって、被写体自体の原料属性から離れ、重厚で物質的なイメージを創出する制作を展開している。主な個展に「figure」(実家JIKKA、東京、2014年)、「AVALANCHE/SHEET/DUAL」(rin art association、群馬、2017年)、グループ展に「VOCA展2019現代美術の展望-新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京、2019年)など。
Nerhol(ねるほる)
グラフィックデザイナー・田中義久(1980年静岡県生まれ)と彫刻家・飯田竜太(1981年静岡県生まれ)によるアーティストデュオ。2007年よりNerholとして活動を開始。ある条件下で撮影された数百枚の写真を積層し、彫り込む手法による制作を継続している。人物をはじめ街路樹や動物、流れる水、あるいはネット空間にアップされた画像データや記録映像など多様なモチーフを選びながら、それらが孕む時間軸さえ歪ませるような作品を制作。そこでは一貫して、私たちが日常生活を過ごすときには見落とされがちな有機物が孕む多層的な存在態を解き明かすことが試みられている。近年の主な個展に「Index」(Foam Fotografiemuseum、アムステルダム、2015年)、「Promenade」(金沢21世紀美術館、石川、2016年)など。2014年にFoam Talent Call 2014に選出、2020年「VOCA賞」受賞。
牧野貴(まきの・たかし)
1978年東京都生まれ。映像作家。日本大学芸術学部映画学科卒業後に渡英、以後国内でカラーリストとして多くの劇映画やCF、ミュージックヴィデオなどの色彩を担当する。2004年より自身の映像作品の発表を開始。自然現象や風景など既存の事物をフィルムやヴィデオなどのフォーマットで撮影し、編集段階でさまざまな操作を行う。複雑な事後加工や重層化の操作を経て制作される独特の有機的な抽象映像は、国際的に高く評価されている。2012年のロッテルダム国際映画祭短編部門でグランプリにあたるタイガーアワードを受賞した他、国際映画祭での受賞歴多数。近年は上映だけでなく、インスタレーションやライブ演奏と合わせてのスクリーニングなど、領域横断的な制作・発表を行っている。
横田大輔(よこた・だいすけ)
1983年埼玉県生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。撮影後のデータ加工、出力や複写の反復、特殊な現像方法などを複雑に駆使した写真で、記憶と現在、イメージと現実の関係性を問う制作を行う。2010年に第2回写真「1_WALL」グランプリ、2013年Unseen Photo FairにてOUTSET|UNSEEN Exhibition Fund、2015年Photo LondonにてJohn Kobal Residency Award、2016年Foam Paul Huf Awardを受賞。FoamFotografiemuseum(アムステルダム)での2度の個展開催(2014年、2017年)をはじめ国内外での展示・発表、多数の写真集の制作のみならず、写真家の北川浩司、宇田川直寛と結成した「Spew」によるZINEの制作や音楽パフォーマンスなど、幅広い活動を展開している。
関連イベント
迫鉄平 全映像作品 2013-2019 上映会 延期 日時未定
全映像作品の上映と並行して、1時間ごとにゲストを迎えてのトークを行います。
日時:4月11日(土)11時00分~17時00分(途中入退場自由)
会場:2階講堂
定員:70席
費用:無料
ゲスト:THE COPY TRAVELAERS(加納俊輔、上田良)、髙橋耕平(美術家)、西田博至(批評家。『アラザル』同人)、福尾匠(映像論研究者)※ゲストの登壇順など、プログラムの詳細は後日掲載します。
牧野貴スクリーニング&トーク 延期 日時未定
映像上映+ライブと作家によるアフタートークです。
日時:4月12日(日)14時00分~17時00分(開場は30分前)
会場:2階講堂
定員:70席(当日先着順)
費用:無料
牧野貴ワークショップ「宇宙の構造コラージュ制作とフィルム制作を通じて」事前申込制 中止
自分自身と世界の関係を理解し、想像力や表現力を拡張していくための方法とアイデアを獲得するためのワークショップ。映像制作の専門知識の有無は問いませんが、映像表現・音楽表現に関心があり、表現をしたいと考えている人に向けたプログラムです。詳細、申し込みについては牧野貴ワークショップ申し込み.pdfをご確認ください。
①音のスケッチ・コラージュ
日時:4月18日(土)13時00分~17時00分
定員:15名
費用:無料
②16mmフィルムによる光と音の制作
日時:4月19日(日)13時00分~17時00分
定員:15名
費用:無料