展覧会・イベント
柳瀬荘アート教育プロジェクト2021
令和3年度 第9回 柳瀬荘アート教育プロジェクト を開催することとなりました。
新型コロナウィルスの影響で昨年の開催を延期し、本年度の実施と相成りました。
例年行っておりました、茶会のイベントは中止とし、柳瀬荘を起点とした彫刻展として、企画を立ち上げております。
日本大学芸術学部にゆかりのある作家を中心に、美術学科彫刻コースの相互教育プロジェクトとして、
学部長指定研究の助成を受け開催する展覧会となります。
この展覧会開催期間のみ、建物の中に入り彫刻を見ると同時に、
柳瀬山荘を見学することもできますので、ぜひご参加ください。
展覧会会期 10月21日〜11月28日 (以下20日間のみ開館)
10月-
21日(木)、23日(土)、24日(日)、28日(木)、30日(土)、31日(日)
11月-
3日(水・祝日)、4日(木)、6日(土)、7日(日)、11日(木)、13日(土)、14日(日)、18日(木)、20日(土)、21日(日)、23日(火)、25日(木)、27日(土)、28日(日)
イベント ー かまど火焚き 11月11日(木) 10:00〜12:00 (かまどに火入れし黄林閣を薫蒸します。)
時間 ー 10:00〜15:00
観覧料 ー 無料:予約不要 (当日混雑の場合は入場人数制限を設けます。)
会場名 ー 東京国立博物館 柳瀬荘
開催地住所 ー 埼玉県所沢市大字坂之下437
交通案内
ー 東武東上線志木駅から跡見女子大行きバスで15分、「中野」下車徒歩5分
ー 西武新宿線所沢駅から志木駅南口行きバスで25分、「西側」下車で徒歩3分
主催 ー 日本大学芸術学部美術学科 東京国立博物館
後援 ー 所沢市教育委員会
助成 ー 日本大学芸術学部長指定研究
担当 ー 日本大学芸術学部美術学科 飯田竜太
問合せ ー 03-5995-8230(美術学科代表)
HP ー http://nichigei-art.com/
参加作家
飯田竜太
植松美月
大槻孝之
海崎三郎
金沢健一
北村瑛芽
KIMU
鞍掛純一
柴田直起
鷹尾俊一
竹村太一
寺内曜子
根本祐杜
平林洋
和田政幸
(敬称略:50音順表記)
ー展覧会テーマ: 「柳瀬山荘と彫刻」ー
「柳瀬山荘と彫刻」 本プロジェクトは松永安左エ門に由来する歴史的建築において展示を行うことを特色としている。それは美術館やギャラリーが、白い空間として作品をよりよく見せる演出がなされているものとは違い、空間的に特異な情報密度を持つことを意味している。松永の数寄者としての贅を尽くした空間「柳瀬山荘」を、ホワイトキューブとは違う「構築された場」として捉え、彫刻が存在することで生起する関係は複雑かつ多用で、松永の意図する数寄者的空間とは異なった空間が再構築されるのではないだろうか。
彫刻が持つ形や空間的表現、またその意味などを問うとき、外形的状況をなぶるのではなく、存在を捉えようとする眼差しを持ち、彫刻と周囲空間の関係が、彫刻を判断すべき指針となるはずである。アート教育プロジェクトの意義は、日々学生と関わる作家の表現や、彫刻を学び始め自分の表現へと進みはじめた初々しい表現などを同時に鑑賞することにある。鑑賞者である彫刻を作るものは、各々が課題として行う自身の制作とクロスオーバーさせ、作品を考えるきっかけを得るだろう。またそれぞれの条件や方法において作られた彫刻の意味を理解することにつながる。
多様な表現が混在する現在、ひとつの分野を掘り下げることで、多様化した表現の根幹に気づくことは多い。様々な人々の関係性によって形成されている社会は既に多様で、一つの分野における関わり方や認識を、自分の方法則を持って行うことは、社会の中のそれと同義だと考える。社会への視座を構築することを教育することは、彫刻という狭い分野でも行うことができるという、本学美術学科彫刻コースが掲げている教育理念でもある。 参加する作家は、「柳瀬山荘と彫刻」の関係に立脚する助けを必要とするはずである。現在の状況が、美術のどの点に位置するか非常に捉えにくいが、彫刻という分野に少なからずの興味を抱く人々へ、献身的な態度で制作し、向き合いたい。
松永は「不老」という書を残している。個々の探求と自己更新から不老を得るとも言える。常に前進し、時には立ち止まり休息もするだろう。しかし臆せず後ずさりせず、前に進む松永の生き様も、この空間から感じ取りたい。松永が作った「柳瀬山荘」という空間と、作家それぞれが持つ彫刻観に基づく作品が、呼応する状況を構築できることを切に願う。
日本大学芸術学部美術学科
彫刻コース彫刻専攻
准教授 飯田 竜太
21日より始まった展示を動画として「アオハネ」さんがあげてくださいました。
ー参考作品画像ー
鞍掛純一[ある日の植物Ⅷ] 2018
平林 洋 [Board] 2018
鷹尾俊一[像・積層の庭] 2018
海崎三郎[熱に咲く花 — 柳瀬荘] 2018