特徴

版画専攻では描くことの基礎的な力を身につける為に、対象の中にある構造を理解し具体化することでデッサン力を身につけます。そして、鉛筆による細密描写やムービングによるドローング、ペンによるイラストや製本による絵本制作、活版印刷によるイメージとことばのコラボレーションなど、感性を刺激する授業を行います。そして、感性を磨きながら、イメージを写し取る版画表現の基礎から応用まで学びます。紙の持っている可能性にも着目し、表現や素材の幅を広げて行きます。表現を深めることにより個々の作家としての自立を目指します。

 

基礎的な力を踏まえながら、版の表現を学びます。各自の研究制作の糧となるよう、しっかりと基礎を固めます。
「描く」という直接的な行為から「版」を介在した間接的な表現を養うために、イメージドローイングを繰り返し行います。モノタイプやコラグラフ、ドライポイントなどの版としての直接技法からはじまり、主に3版種(銅版・木版・リトグラフ)を中心に間接技法の基礎から応用までを習得し、知識、表現力の更なる向上に努めます。素材の研究としての紙漉き実習、技法と表現の研究として美術館見学や特別講義を行い、個々の表現や研究に繋げて行きます。

 

制作意図の明確化や方向性を担当教員の個別指導を受けながら、これまでの研究制作の集大成として各自の表現に応じたテーマや技法で卒業制作を行います。秋には「全国大学版画展」(於:町田市立国際版画美術館)や卒業制作は「卒博」(学内展)及び「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」(於:国立新美術館)に出品展示します。

 

なお、上記の表現技術部門と併行して、理論・歴史研究部門では、美術学、解剖学、美術史概論、西洋美術史、日本美術史、東洋美術史、また研究部門では、美的構成研究、版画概論、美術作品研究、古美術研究等の美術理論科目を履修します。

カリキュラム

1年次

1年次には、版表現の基礎を学び、表現の本質を学びます。基礎鉛筆による「リアル」に描くことや、「ムービング」によるドローイング、製本による「ポートフォリオ」制作を通じて、感性を刺激する授業を行います。

2年次

2年次には、版表現の応用を学び、表現の可能性を学びます。ペンによるイラストや製本による絵本制作、活版印刷によるイメージとことばのコラボレーションなどで表現の幅を広げます。

3年次

3年次には、1、2年に学んだ基礎から応用を「制作ノート」制作に集約し、より専門的な技法を習得すると共に、感性を磨きながら表現の幅を深めます。個々の作家としての自立を目指します。

4年次

4年次には、これまでの研究制作の集大成として、担当教員の個別指導を受けながら、各自の表現に応じたテーマや技法で卒業制作を行います。秋には「全国大学版画展」(於:町田市立国際版画美術館)や卒業制作は「卒博」(学内展)及び「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」(於:国立新美術館)に出品展示します。

施設

  • 版画室

  • 版画室

  • 版画室 エントランス

卒業制作

  • 望月拓郎, See You In My Dream,リノカット,H515×W2184(mm)

  • 東尾文華, 儚き心で, 水性木版,H1030×W680(mm)

  • 三浦明日香, 徒花, リトグラフ,H294×W210(mm)

  • 成田雅菜, なみ, リトグラフ, H800 ×H650(mm)

  • 岡本彩椰, 自惚れ, 銅版, H500 ×W500(mm)

  • 長沼翔, Girl 9.1, 銅版,

  • 秋田野恵, 向上心, 銅版, H606×W760(mm)

  • 尹 貞元, Walk Ⅰ, 2016, 銅版, 56 × 76 cm

  • 松澤 綾, 或る日の森, 2016, 木版, 80.5 × 111.5 cm

  • 喜田幸之介 , 危ない, 2016, リトグラフ, 34 × 43.5 cm

  • 木村祥乃, 沈黙の棲家, 2016

  • 田中美咲, POOL, 2015