特徴

あなたの美術の「夢」は何ですか?ぼんやり思っているだけですか?夢を「学んで」いますか?夢を「考えて」いますか?どう考えればいいでしょうか。答えはありません。でも学んで考える方法や手順はあります。「講義」や「座学」は学びの基本の「場」です。基本的なことがらや先行例を知る、考え方や立場を整理する、豊かな歴史や広い世界が開かれる。そこから未来に向けて飛躍!退屈で窮屈で眠いなんてとんでもない!知的好奇心を掻き立てられます。
美術は、人と違ったものでいい、時間をかけていい。夢の実現に向けて進んでください。ここはその準備の場所です。

理論・講義科目

理論・歴史部門

美術学

造形表現には、現象にせよ制作プロセスにせよ、各種の言葉がまつわりつく。そうした言葉は、創造の本質の理解や、創造的発想の鍵であって欲しいが、時には拘束や障害ともなりうる。それゆえ、造形芸術の制作と鑑賞にまつわる既成概念や専門用語、テーマやジャンルを再検討して、造形の今後を考える。美術学Ⅰは造形の「形式と手法」に関する既成概念の再検討をテーマとする。 美術に関する問題群の整理・理解、かつ自問自答のできる姿勢の確立を目標とする。

解剖学

解剖の歴史は古く、紀元前三世紀にアレキサンドリアで人体解剖が行われているが、その後、16世紀にアンドレアス・ヴェサリウスによって『ファブリカ』 (人体の構造)が出版され、近代解剖学の基礎が築かれた。本講義では、解剖学の歴史をたどりながら、さまざまなイメージ(主に解剖図譜)をもとに、人体を記述・描写するための知見を養う(「解剖学Ⅰ」は「栄養ー生殖系」、「解剖学Ⅱ」は「感覚ー運動系」)。

美術史概論

日本で近代美術とは、いつから何をさして言うのだろうか。それは西洋美術との出会いを抜きにしては始まらない。現代に生きる私たちの少し前の時代に、どのような作品がどのように制作されてきたのかを、多様な影響関係の中から考える。多くの作品とその背景に触れることで、作品とそれを取り囲む空間をより豊かに体感できるようになることがねらいである。さらに自ら関心を持った事柄についてより深めてゆくことが望ましい。

西洋美術史

先史時代から現代まで、西洋美術の歴史を学びます。歴史を学ぶことは現在の糧となって、各自の制作にしっかり生きてきます。必要なことは、作品を「見る」こと、さらに作品を「読むこと」。造形性、図像、主題、意味、意図・プロセス・受容…、大きなまとまりと流れのなかで、作品を理解、また記憶・蓄積してゆきましょう。これから始まる自分自身の制作へ、美術史から豊富な材料を学びとってください。

日本美術史

豊富すぎるほどの貴重な画像データを用いて、日本美術を具体的に解説。受講生には積極的な意見を求めてその理解を深めてゆきます。歴史的背景などについて学習し、受講生は自ら対象となる作品を研究。その内容を発表して相互に学ぶことができるのも、この授業の特長です。また、基礎的事項を確認するための実地見学会も実施。博物館の見学も先生と一緒に行くことで深く学ぶことができます。

東洋美術史

東洋美術史(この授業では主に中国)の基本的な事柄について日本と中国と西洋の作品を比較しながら具体的に理解していく。とりあげる作品は絵画を主とするが彫刻、工芸や書、音楽など他の分野にもふれていく。欧米化が極まっているようにみえる現在の日本人にとって東洋(アジア)という基軸を立て比較することにより見えてくることがある。それは日本と東洋の美の再発見というこの授業のもう一つのねらいにつながろう。

研究部門

美術作品研究

美術作品研究は、ジャンルは限定せずに、明治時代から現代までの美術作品を取りあげて、何がどのように表現されているかを考えます。作品の主題、背景、意味、制作当時の状況、現在の位置づけなどを整理し、見ること、感じること、調べること、知ること…、実践の場として授業を行います。複数の先生がそれぞれ担当。内容もさまざまで、小さな彫刻を作る授業もあれば、テーマを設定し、自分で調べて理解を深めてゆくものもあります。

美術特別講座

基礎的な製本技術を学び、各自の専門分野での創作と融合させ、表現の幅を広げる。制作の過程で、本の多様性と美術的要素について理解を深めると共に、緻密な作業を通して作品の細部への注意力を養う。  

古美術研究

古美術研究では、仏像等の作品を所蔵する寺院の実地見学を行い、受講生が自分の目で作品を体験して理解を深めることを目的としています。また、制作の歴史的背景等について事前に学習し、実地見学を実り豊かなものしたいと思います。なお、古代から中世に及ぶ多様な作品を検討の対象とします。

 

古美術研究(通称「こびけん」)は、京都や奈良の寺院などに行って仏像などの作品を実地で見るという研修が含まれている授業です。

版画作品研究

版画の技法の凸版、凹版、平版、孔版の4種類について,基礎的な知識を版画作品を通して考察する。その上で、その版種の違いを支持体や版材料に触れることにより理解する。

美術特別研究

この講座では凸版印刷の一種である活版印刷の基礎を学びます。活字を用いた文字の印刷と、版画による図版の印刷を組み合わせることにより、造形表現のさらなる広がりが期待できます。

教育教科部門

デザイン論

美術装飾工芸から、機械による大量生産時代を背景に「デザイン」という理念が形成されるまでの過程を欧米各国の造形芸術運動の展開を軸に史的に概観し、さらにそれらの運動体が現代のデザイン活動にどう反映されて来たのかを多面的に検証し意味を考える。デザインが社会現象として幅広く浸透していく過程を理解することはもとより、今後のデザインの方向性と発展について各自の思索を深めることを目標とする。

図学

色々な図形や立体を2次元平面に表現する能力を養う。幾何学図形の意味や原則を、素早く理解する感覚を養う。美術制作に必要な図学上のインスピレーションを養う。デザインを発想・追求する能力を養う。点・線・面・立体へと展開させる関係性を捉える。以上を踏まえ芸術表現の基本知識を習得することを目標とする。

映像メディア研究

映像メディアに関する歴史や理論を概説し、その表現事例の分析や解説を行う。映像メディアテクノロジーや表現史、メディア論の重要事項など映像メディアにまつわる諸問題を講義する。また、教職課程科目であることを踏まえ、教育における映像の利用、とりわけ国内における映画教育(視聴覚教育)の歴史的経緯などを解説する。これにより、表現メディア、芸術メディアとしてだけではない、教育メディアとしての映像の可能性について理解することを目標とする。

美術教材研究

中学校・高等学校の美術科の授業に至るまでの幼児・児童の造形表現活動や発達を概観した上で、美術科教育における教材(題材)を具体的に考える。
その過程を通して美術科教育における指導者としての題材開発力を培う。

工芸演習

身近な日常の器を中心に作陶し、実際に作品を作り上げ使うことで、その喜び、楽しさ、面白さを感じ、工芸に対する造詣を深める。